阪神横田慎太郎外野手(19)が“1軍デビュー戦”で非凡な打撃センスを見せつけた。前日に初合流したばかりの初々しい19歳は「1番・中堅」でオリックス戦に臨んだ。安芸球場に歓声が上がったのは6回だ。左腕前田に追い込まれた後、外寄りの変化球にタイミングを外されたが、体がピタッと止まる。下半身の強さを生かしてバットを合わせると、打球は左前に弾んだ。

 「思ったより緊張することなく、普通でした。追い込まれたけど、うまく打てました。追い込まれたら逆方向の意識を持っています。2本くらい打ちたかった。変化球は今後の課題。しっかり対応したいです」

 横田は4打数1安打のデビュー戦を時折、笑顔を交えながら振り返った。前日に甲子園で行ったフリー打撃では和田監督が「規格外」と称賛するさく越えを放った。この日は長打こそなかったが、大器の片りんものぞかせた。

 和田監督 1打席目は右飛だったけど、ある程度ついていっているなと。きょうの4打席だけじゃなくてもう少し見てみたいなというのはあったよね。

 掛布DC 1打席目はうまくフォークを拾った。風がなければ越えていたかも。左投げ左打ちの特徴として左腕で押せる。ヘッドが立って出てくる。(左前打の)ああいう打球もファウルにならない。

 2人が口をそろえたのは第1打席の右飛。凡打の中に非凡さを感じさせるのが大器の証しかもしれない。きょう西武戦(高知・春野)3日のソフトバンク戦(香川・四国Cスタ丸亀)でも“1軍研修”は続行されそうだ。【鈴木忠平】