60本塁打の日本記録保持者が、新たな武器を手にする。昨年10月に左アキレスけんの手術を受けたヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(30)が3日、今季から初めてゼット社のバットを試すことが明らかになった。メジャーの選手も愛用する北米ブランド、オールドヒッコリー社製バットをサンプルに製造された。

 ゼット社が提供するモデルは約910グラムで、堅さに定評あるハードメープル材を輸入するなど、性能を落とさない努力が結集されている。先端部分が白色でグリップが黒色のバット。正式に契約はしておらず試験的な段階で、昨季まで使用したマルッチ社などのバットと使い分けていく見通しだ。

 前日2日に来日したばかりだが、この日から早速1軍練習に合流し、志願の打撃練習を行った。故郷オランダ領キュラソー島の旗をイメージした水色に黄色のラインが入った特注マスコットバットで、39スイング中4本の柵越え。「バッティングはグッドコンディション。軽めにしか振っていないけど」と、コメントも控えめだった。

 リハビリのため、今日4日からは2軍で調整を進める。真中監督は「2軍の試合に出てから1軍合流になると思う」と、完治を優先させる方針を明かした。バレンティンは「100%の力でシーズンに入りたい。目標は3冠王」と力強く宣言した。ニューアイテムでさらなる飛躍を目指す。【栗田尚樹】