驚異の回復で滑り込み開幕見えた! 右内転筋挫傷でリハビリ中の阪神福原忍投手(38)が5日、鳴尾浜ブルペンで投球練習を再開した。投球前は「傾斜のある場所で投げてみたいので、ブルペンでキャッチボールをします」と語っていた。いざ入ると横川ブルペン捕手を立たせたままながら力のこもった投球を披露。「そこを目指してやっていますから」と照準をピタリ、3月27日開幕に合わせた。

 一時は前途を覆い隠した暗雲を、吹き飛ばした。傾斜のある場所から投げ、右足の状態を確認しながら30球。「特に怖さもなかったし、普通に投げられました。違和感はなかったし(患部に)変な腫れもありません」と丁寧にマウンドをならし、穏やかな表情でブルペンを後にした。

 今日6日に再度、捕手を立たせて投げて状態を確認。違和感が出なければ、明日7日にも捕手を座らせた投球練習に入る。見据えるのは当然、プロ17年目の開幕だ。「今の感じでいけば、問題なく(開幕は)いけると思います」と明るい見通しを示した。

 4年目松田が「8回の男」に向け、実戦で結果を重ねている。それでも昨季の最優秀中継ぎ投手にして投手陣の精神的支柱の福原に代わる人材は、簡単には見つからない。状況を伝え聞いた和田監督は「ここからが大事なんでね。いい状態で開幕に間に合うのが一番いいこと。その第1歩だね」と言葉を選んだ。あわてず、だが間に合ってほしい。必勝セットアッパーが復活への1歩を踏み出した。【堀まどか】