オレを忘れるな! 春季キャンプから2軍生活が続く中日平田良介外野手(26)が猛アピールだ。7日、東海理化とのプロ・アマ交流戦(ナゴヤ)に4番左翼で出場し、3安打1打点と好調ぶりを発揮した。キャンプ後の打率は4割5分と打ち出の小づち状態。昨季の開幕4番が昇格スタンバイOKだ。

 平田のオレンジ色バットが勢いを増している。1回に快足を飛ばして内野安打をもぎ取ると、3回には2死三塁の場面で直球を簡単に中前に運ぶタイムリー。先頭の6回にも中前打を放った。

 「いい感じで打てている。もっともっと結果を出したい」

 アマチュア相手の交流戦とはいえ、その打力はやはり別格。これでキャンプ後の打撃成績は20打数9安打、3打点。打率は驚きの4割5分だ。

 湿りがちな1軍打線とのコントラストが背番号6をより際立たせる。1軍はキャンプ後の実戦5試合でわずか4得点。オープン戦は結果だけが重要ではないが、開幕を3週間後に控えてのタイムリー欠乏症は少し心配だ。昨季の4番打者が3・27の開幕戦までに合流するのか、しないのか。竜党にとっても気になるところだ。

 新人外野手の奮闘もあってキャンプ中に昇格することはなかったが、状況も変わってきた。ドラフト3位の友永翔太外野手(23=日本通運)が左足首のけがを悪化させ戦線離脱。さらに体調不良により2軍では別メニューとなった。キャンプで打ちまくった6位井領雅貴外野手(25=JX-ENEOS)も6日広島戦では3打数無安打と息切れ気味だ。

 この日は本職の右翼ではなく左翼を守った。左翼守備はキャンプ後の実戦で2度目。「問題なくできている」とさまざまな起用法に対応できるように準備している。キャンプ初日から体重も6キロ近く減って今は92キロ台。2日前には「イメチェンです」と、サイドと後ろを刈り上げた髪形に変えた。

 「いつでもいけるという気持ちで、毎日ここ(ナゴヤ球場)に来ている」

 平田にいつもの笑顔はない。開幕まで残りのオープン戦は11試合。どん底からはい上がるチャンスはまだまだある。1軍首脳が振り向くまで、結果を出し続けるしかない。【桝井聡】

 ◆竜の外野手事情 中堅大島は揺るがない。左翼本命はベテラン和田。平田のほかに藤井、野本、ナニータ、新人井領らが空いている右翼を争う構図。2軍戦に外野手として出場するルーキー遠藤も候補に挙がる。ただ、和田はまだオープン戦出場がなく例年に比べてスロー調整。開幕に間に合わないとなれば右翼、左翼は日替わりの可能性もある。