初対決は師匠の貫禄勝ち! 師弟関係にあるDeNA中畑清監督(61)が、楽天大久保博元監督(48)を相手に投打で快勝した。「悔しい思いをしていると思うよ。はらわた煮えくり返るくらいにね」と言って笑った。試合後もわざわざ一塁側ロッカー室まであいさつに来たことを聞くと「それが師弟関係よ。そういうこと、してい」と得意のダジャレも飛ばした。

 先制、中押し、ダメ押しと理想的な攻撃だった。開幕ローテ6番手を争う先発三嶋、中継ぎの小林寛、ヨスラン・エレラ(33=エンゼルス)、抑え候補のドラフト1位山崎康晃(22=亜大)が無失点と投手リレーも完璧だった。ただし相手が新戦力を含めて若手を多数起用したことは理解しており「うちがいいところ出たし、向こうは新しい戦力を入れていたし」と無条件で浮かれたワケではない。

 大久保監督の指導者としての資質を見抜いている。電話はよくかかってきており「デーブ流で行きなさい」と話してきた。「オリジナリティーを持っている。どんどんいけばいい。オレもやってきたこと。周りは関係ない。特長を生かして、はまったら脅威だよ」。超機動力野球がそのひとつだ。この日許した盗塁はひとつだが、DeNAは2度とも失敗に終わっている。

 巨人打撃コーチ時代の94年9月17日の阪神戦(東京ドーム)。代打サヨナラ2ランを放った弟子からバットを贈られた。うれしかったことを覚えている。ともに現役の選手時代には「かくし芸大会」で自分が刑事役、大久保監督が使いっ走り役で共演もした。その時から「師匠」と呼ばれている。「(交流戦の仙台で)いい戦いをしたいね。勝っておいしい牛タンを食べたい。厚いのね」と笑う。本当の戦いは、6月9日からの3連戦だ。【矢後洋一】