神様、仏様、稲尾様に並ぶ開幕4連勝だ。プロ野球は今日27日に両リーグ同時に開幕する。工藤公康新監督(51)を迎えたソフトバンクはロッテとヤフオクドームで対戦。開幕投手は4年連続で摂津正(32)が務める。球団史上初の開幕3連勝中で、4連勝となれば60~63年西鉄稲尾和久らに並ぶ偉業だ。エースの第1投から日本一連覇への戦いが始まる。

 摂津が新生工藤ホークスの先陣を切る。開幕前日のヤフオクドームで最終調整し、開幕戦勝利を誓った。

 摂津 ワクワクしています。すごく楽しみ。チームにとっての一発目の試合。いいスタートを切るためにも投げないと。たくさんのファンのみなさんが楽しみに期待していただいている。勝つことが一番。期待に応えられるように頑張ります。

 普段は寡黙な右腕が「熱男(アツオ)」に語った。送り出す工藤監督は「いい投球をしてくれるように祈っている」。キャンプ中に大役を告げた際は「前の年によくなくて悔しかった思いもあるだろう。エースとしてのプライドをもう1度つかんでもらいたい」と伝えたという。摂津の活躍なしに連覇はないという思いを込めた指名だった。

 昨年は10勝8敗で防御率3・90。4年連続2桁勝利とはいえ、納得できるものではなかった。今季は長崎での自主トレから自分を追い込んだ。現在故障中の正捕手細川は「キャンプ初日を見て大丈夫だと思った」。開幕戦でコンビを組むことが濃厚な鶴岡も「今年は直球の角度がよく、内外角に投げ分けられている」と状態のよさを感じている。摂津は「ここまで順調にケガなくできている。それを明日全部ぶつけるだけ」と話す。右肩に不安のあった昨年とは違う。

 開幕戦4連勝は5連勝の阪急山田久志、4連勝の西鉄稲尾和久、巨人斎藤雅樹と過去3人しかいない。今日の開幕戦で勝利を収めれば、摂津は中継ぎ時代に続いて稲尾に並ぶ。新人の09年から2年連続70試合登板は、58、59年の稲尾以来51年ぶりの快挙だった。ただし稲尾は30試合以上が先発。今回の開幕星はエース右腕、チームの大黒柱として伝説の投手と遜色ない働きだ。

 「今年は今年だからね」。その短い言葉に、2015年シーズンにかける摂津の自信が感じられた。【石橋隆雄】