オリックスの超人が「後輩撃ち」で開幕1勝をもたらす。糸井嘉男外野手(33)が30日、ヤフオクドームでの指名練習に志願の参加。チームは開幕3連敗で今日31日からソフトバンクとの3連戦を迎えるが、新主将は「勝ちたい」と勝利への思いを連発した。初戦の相手先発は昨年の「10・2」決戦で好投を許した大隣。近大の後輩へのリベンジから巻き返しが始まる。

 糸井はヤフオクドームに導入されたホームランテラス付近で、クッションボールを入念に確認した。フリー打撃でも快音を連発。野手は主に若手が参加する中、休日返上で動いた。

 「そこはキャプテンやから。外野手やから、確認もせなあかん。(フェンスに)近寄れば近寄るほど狭い感じ。まず1勝しないと始まらんからね。早く勝ちたい。それだけですよ」。チームが3連敗の状況で、主将の自覚がにじみ出た。

 勢いを呼び込む絶好の舞台と言える。福岡に乗り込み、昨年優勝を争ったソフトバンクと相まみえる。「相手とか関係なく早く1勝したい。まずね」。ここでも糸井は勝利への意欲を口にした。初戦の相手先発は昨年、勝てばリーグ優勝が大きく近づいた「10・2」決戦で6回無失点の好投を許した大隣だ。

 「いい投手には変わりない。何とか勝ちに持っていきたい」。昨季のチーム対戦打率1割5分1厘と封じられた中で、糸井は3割3分3厘。今回も攻略のキーマンであることは間違いない。近大では3学年下だった後輩を、先頭に立って打ち崩す。

 前日29日の西武戦は敗れたが9回2死から今季1号。ストッパー高橋朋の低めスライダーを右翼席に豪快な一撃だった。オフから取り組んできた飛距離アップの成果が出ているようだ。「まぐれです。ええピッチャーなんで。もう勝ちたい。それだけ!」。超人が白星に飢えている。【大池和幸】