ソフトバンクがヤフオクドームに今季新設されたホームランテラス席に3発ぶち込み、オリックスに快勝した。1回に3番柳田悠岐外野手(26)が左中間へ、2回には5番李大浩内野手(32)が左翼へ、5回には4番内川聖一外野手(32)が右翼へ2ランを、それぞれ1号アーチをテラス席へ運んだ。クリーンアップのそろい踏みで勝率を5割に戻した。

 ヤフオクドームの野球が明らかに変わった。初回、ソフトバンク柳田が低めの直球をすくい上げ、左中間へ高々と打ち上げた。打球はホームランテラス席へスッポリと入った。柳田は「ちょっとこすった感じだった。アウトかな、中飛かなと思った。まさか入るとは思わなかったので、ウワッってなった」と驚きを隠さなかった。12年にこの球場でノーヒットノーランを達成したオリックス先発西も、信じられない表情で打球を見送った。

 2回は李大浩が内角低めをライナーで左中間のテラス席へ運んだ。「今は軽く打って芯に当たれば入るから楽な気持ちで打席に入れているよ」。5回には内川が右中間テラス席へ1号2ランを放ち、ド派手にクリーンアップがそろい踏みだ。

 柳田の飛球は昨年までなら外野手が十分に捕球できる打球だった。柳田は「1(打数)の0が1(打数)の1(安打)、1ホームランになるのはありがたい」と感謝すれば、李大浩は「テラスに打つとみんなが盛り上がる。本塁打は野球の華。たくさん出るとファンも喜ぶ」とテラスを歓迎した。

 ヤフオクドームでの3発以上は13年4月11日以来2年ぶり。昨年までは日本一の広さを誇っていた。5・8メートルと高いフェンスが4・2メートルに下がり、左中間、右中間の最深部が5メートルも狭くなった。今季のチーム4発はすべてテラス弾。今までフルスイングでしか入らず、他球場では入るライナーの打球もフェンス直撃だった。軽く打っても入るという意識がソフトバンク重量打線を、昨年よりのびのびと打たせている。開幕前に選手会長の松田が「ホームランテラスはホームチームが有利に戦えるようにしないといけない」と話していた通りの快勝で2勝2敗と借金を返した。今年のヤフオクドームは派手に打ち勝つ野球を見せてくれそうだ。【石橋隆雄】