岩村明憲選手兼任監督(36)率いる福島ホープスは、ホーム開幕戦で武蔵ヒートベアーズに敗れた。楽天からの派遣選手で、先発の高堀和也投手(27)が7回3失点。打線は4安打と援護できなかった。18、19日はアウェーで同じく武蔵と戦う。

 福島での最初のゲームで、ファンに白星を届けることは出来なかった。ホープスの選手たちは試合後、約500人が集まったスタンドへ深々と頭を下げた。岩村監督も「どんな試合でも負けるのは悔しい」と肩を落とした。

 先発は楽天からの派遣選手高堀。初回、先頭に四球、2番に左前打を許し、内野ゴロで早々に失点した。6回には内野失策が絡み1失点。7回には2連打でさらに1点を失った。「今日は特別な日。どんな形でもいいから勝ちたかった」と悔しがった。打線もつながらず、7回まで散発3安打。8回裏には2死満塁のチャンスを作ったが、3番岡下大将(23)が遊ゴロで倒れた。完封負けした12日の新潟戦に続き、1点が遠かった。

 だが、ファンは優しかった。この日は吾妻山の麓にある球場に寒風が吹きつけ、底冷えする寒さ。それでも、ストライク1つ、アウト1つ取るたびに拍手と歓声が起こる。終盤には「がんばれ、がんばれ」と応援歌と手拍子の輪が広がった。岩村監督は「声を出してくれてうれしい。本当は見ていて気持ちのいい試合をして夢と希望を与えるべきですが。次こそは勝って恩返ししたい」と勝利を誓った。

 岩村監督は新潟戦に続き、この日も打席に立たなかった。福島のファンのため、終盤で出る準備をしていたが、8、9回は上位打線。「彼らが打ってくれないと、このチームの未来はない」と選手を信じた。試合後は、ベンチで熱く選手を鼓舞した。「たった2戦で悲観する必要はない。前を向いてやっていこう」。1勝へ。福島ホープスの挑戦はまだ始まったばかりだ。【高場泉穂】