東北学院大は8回コールドで東北工大に先勝した。6番DH高橋勇樹(4年=仙台育英)が先制二塁打、ダメ押し本塁打を含む4安打3打点と活躍。プロ注目の右腕エース本田圭佑(4年=東北学院)も8回を散発2安打で快勝した。

 東北学院大の打撃のスペシャリスト高橋勇が本領を発揮した。3回表2死一、三塁から左中間に先制二塁打を放ち、7回は今季2号の右翼越えソロ本塁打で試合を決定づけた。単打2本を含む4打席連続安打。サイクル安打の期待も高まったが、コールド成立で打席は回ってこなかった。「4安打は初めて。もう1度打席に立ちたかった」と心残りも口にした。

 昨春から二塁手で先発入り。本来は守備に自信を持っていたが、冬場の打撃強化が認められ、今春からDHに指名された。前節までは打率3割8厘だったが、この日の固め打ちで17打数8安打の4割7分1厘でリーグ暫定首位に急浮上。2本塁打もトップタイ。単独2位となる計7打点もマークした。まだ個人タイトルに縁のない高橋勇は「打率にはこだわりたい。DHでベスト9に選ばれたい」と打撃職人に徹する構えだ。

 大学最後の年にかける思いは強い。仙台育英2年秋に控え内野手でベンチ入り。だが3年春は東日本大震災で大会が中止になり、夏はベンチから外れ、甲子園も逃した。「4年生のプライドを持ってプレーで引っ張っていきたい。最後なので神宮に行きたい」。遅咲きスラッガーが強い気持ちをバットに込める。【佐々木雄高】