小さくてもホームランは打てる! 西武森友哉捕手(19)が右翼席中段へ2試合連続のダメ押しソロを放った。6号は中村と並んでチームトップ。5点リードの7回、カウント2-1から持ち味のフルスイングで豪快なアーチをかけ、「こどもの日」に集まった少年ファンに夢を運んだ。4回には左腕松葉から右翼線二塁打で出塁し、先制の起点として今季2度目の5連勝に貢献した。

 170センチの体が大きく見えた。5-0で迎えた7回2死走者なし。森は148キロ真ん中高めの速球に反応し、こん身のスイングから打った瞬間に分かる打球を右翼席に届けた。「ノーツー(カウント2ボール)になったので狙えるかなと。僕は背が小さいですし、子どもも小さい。小さくてもホームランが打てるところを見せられて、少しでも夢を与えられたかな」と照れながら話した。

 小柄な体でも、大阪桐蔭の先輩で175センチ、102キロの巨漢中村に並ぶチームトップタイ、早くも昨季の本塁打数に到達。「うれしいですけど、まだ始まったばかり。意識せずやっていきたい」と冷静に見つめた。ホームランよりも、2年目の成長を示したのは4回の第2打席だった。昨年は打率1割6分7厘と苦手にしていた左腕から、右翼線を破る二塁打を放った。内角低めの直球に体がクルッと回転した。「難しかったけど芯でとらえられた。シーズンの最初の方で(左から)何本か打てたので、余計な力が入らなくなった。気持ちの部分が大きいと思う」と自己分析する。

 もちろん、練習のたまものでもある。トス打撃では背中の方からボールを投げてもらい、左投手の軌道を想定して打ち込んできた。体を開き気味にして視野を広げ、ボールをしっかり見られるようになった。今季の対左腕の打率は6割2分5厘(24打数15安打)となり「今は左投手の方が合っているかな」とまで言えるようになった。

 成長の早さには田辺監督も舌を巻く。「今年は(左を)苦にせず振れている。短期間で対応する能力に優れている。今は打線の真ん中で起点になっている」。左腕を克服した森はもう不動のDHだ。【矢後洋一】