虎に貴重な白星を運んできたのは、阪神救援陣で抜群の安定感を誇る福原忍投手(38)だ。1点ビハインドの状況ながら9回に登板。今日7日に試合がないため、勝利の方程式の軸である右腕は惜しげもなくつぎ込まれ、サヨナラ勝利を呼ぶ快投だ。

 福原 良かったですね。良かったです。先発も頑張っていたし。

 9回先頭の福田を右飛に仕留めると、続くエルナンデスを空振り三振。2死から迎えたのは谷繁。それまで、このカード6打数5安打1本塁打を放っていた敵将を迎えたが、虎投最年長福原もひるまない。外角低めにボールを集める熟練の投球で右飛に仕留めると、その裏に打線が奮起。2勝目が転がり込んできた。

 今季12試合に登板し、わずか1失点の防御率0・82。中西投手コーチの「1点差になった時点で迷いなく(福原)忍だった」との全幅の信頼に投球で応えて見せた。もちろん、福原は逆転へのタスキをつないできた2人の存在も忘れていない。

 福原 (松田)遼馬も安ちゃん(安藤)も頑張っていたよ。

 2番手松田遼馬投手(21)が7回1死一、三塁のピンチをしのぐなど1イニングを無失点。3番手安藤優也投手(37)も8回をピシャリ抑え込んでいた。今季初の3人そろい踏み。3人が登板した試合は、これで通算21回1/3をわずか4失点。そして、なにより福原自身も虎投歴代勝利数で、14位タイの下柳剛の80勝まであと1つと迫った。リリーフ陣を引っ張り続ける38歳の鉄腕がこれからも勝利に向けてフル回転する。