ロッテの大嶺兄弟が勝利をもたらした。兄祐太投手(26)が8回4安打1失点なら、弟翔太内野手(23)は適時打に好守。初めて同時にスタメン出場し、そのまま初のお立ち台そろい踏みだ。兄は1回、1死から3四球でピンチを招いたが、西武メヒアを二ゴロ併殺。打球を処理したのが、弟だった。「エラーしたら困ると思ったのですが、良かったです」とちゃかせば、弟は「僕のところに打たせてくるなと思っていました」。絶妙な掛け合いで、ファンを沸かせた。

 ともに与えられたチャンスをものにした。昨秋に右肘を痛めた兄は開幕2軍。当初は中継ぎだったが、これで先発2勝目だ。故障明けのため、めどは5回または100球も、初回をしのぎ8回までいった。「スタミナは今も不安。でも、自信になる」。最後は右足をつったが、文句なしの好投だった。弟は前日は3打席凡退。練習中、伊東監督に「最後のチャンスだ」と送り出された。3回2死満塁、岩尾の低めスライダーを左前にしぶとく運び「気持ちです」と胸を張った。

 沖縄・石垣出身の2人。島には、育ててくれた祖母の孝子さんがいる。母の日にそろって活躍し、チームは4月14日以来の2連勝。兄弟は「喜んでくれたと思う」と声をそろえた。【古川真弥】

 ▼ロッテ大嶺祐太投手と弟の翔太内野手が初めてそろってスタメン出場。同一球団で投手と野手の兄弟がスタメン出場したのは、86年4月25日中日戦で嶋田章弘投手(阪神)が兄の宗彦捕手とバッテリーを組んで以来29年ぶり。

 ▼ロッテは9日の10得点に次いで11得点。ロッテの2試合連続2ケタ得点は10年4月3日10○4オリックス、同4日10○4オリックス(京セラドーム大阪)以来5年ぶり。本拠地では08年7月19日10●17西武、同20日16○0西武(千葉マリン)以来7年ぶり。