東大13年ぶりの勝ち点は3回戦へ持ち越された。法大1回戦で連敗をストップさせた東大は、4回に山田大成内野手(2年=桐朋)が初本塁打した後、7回には代打のルーキー竹中良太投手(修道)が初打席でランニング本塁打を放った。00年春、早大1回戦以来の1試合2本塁打を記録したが、4失策もあり敗れた。

 前日、1694日ぶりに白星をつかんだ東大の連勝は幻となった。浜田一志監督(50)は4失策に厳しい表情を見せ「エラーは出るものだが(勝って)浮かれている気持ちがなかったとは言い切れない」と、02年秋の立大戦以来となる勝ち点へ向け気を引き締めた。

 一方で、勝利の余韻は良い方にも傾いた。山田のソロに続き、7回には1年生投手の竹中が初打席で右中間を破るランニング本塁打を放ち、15年ぶりの1試合2本塁打を記録した。竹中は「とにかく『落ちてくれ』と。最後は足がもつれて恥ずかしかった」と苦笑い。修道ではエースで4番。2浪の末、東大に合格した。投球練習は始めていないが、素振りを見た監督の目に留まり代打起用された。1年生投手の初打席初本塁打は12年春、明大1回戦の内田聖人(現早大4年=早実)以来。「東大ではいないはず」と1年秋に初本塁打した指揮官も目を丸くした。

 前夜、寮では一般ファンからの祝福電話が鳴り響いた。浜田監督の携帯電話にも約250件のメールが届いた。「返事をするのに夜中までかかりました。応援していただくありがたみを感じました」と反響の大きさを実感した。だからこそ、勝ち点を絶対に諦めない。【和田美保】