日本ハム岡大海外野手(23)が「先輩打ち」で大暴れした。「日本生命セ・パ交流戦」の広島3回戦で、相手先発で明大時代の2年先輩・野村から4回に勝ち越し適時打、6回にはバックスクリーンへの3号2ランで3打点だ。カード3連勝を決めたチームは今季2度目の5連勝で、貯金を12に増やした。快調にリーグ首位を突っ走り、交流戦でも首位をがっちりキープした。

 秘めた闘志が爆発した。6回。岡が、ヘルメットを深くかぶり直し臨戦モードに入った。2点リードの2死一塁。外角へのチェンジアップ126キロを高く打ち上げた。「まさか入るとは思わなかった」。打球は広島ファンの熱気を切り裂き、バックスクリーンまで到達した。交流戦初アーチの今季3号2ラン。5月2日ロッテ戦以来、出場23試合80打席ぶりの快音に、細身の体をよじらせ、八重歯を見せて笑った。

 懐かしい瞬間が、よみがえった。広島の先発野村は、明大の2学年先輩。プロ初対決で3打数2安打3打点、1本塁打と奮闘した。大学時代、共に過ごした2年間は「野球人生の分岐点だった」と振り返る。当時は投手だった岡は、ウエートメニューをまねて取り組むほど尊敬する先輩。「一緒に過ごした時間が、とても貴重だった。濃密な1年間は忘れられません」。野村のプロ入り後、背番号11を受け継いだ。背中を追うようにしてプロを意識するきっかけにもなった。

 恩返しになった。野手としてプロ入りした1年目の昨季は、開幕1軍も左足リスフラン関節の脱臼骨折と靱帯(じんたい)断裂の大ケガで、交流戦は出場出来なかった。今年2月の練習試合での初対戦では2打席2安打。「打者として成長した姿を見せられて良かった」。4回には決勝打となる右前適時打、6回のダメ押しの一発と勝負どころで光った。栗山監督は「憧れの先輩から打てたのは良かったんじゃないかな」と一緒になって喜んだ。

 応えたい声があった。広島の隣県、岡山・倉敷市出身。前夜3日は両親が観戦に訪れていた。この日は「いっぱい来てくれています」と、かつての球友らが駆けつけていた。真っ赤に染まったスタンドの片隅からの声援に、力が湧いた。2日の同戦でも決勝打を放ち、今季2度目の同一カード3連勝へ大きく貢献。今季2度目の5連勝とチームを乗せる勝利を呼び込んだ。「地元が近いということもあり、こうやって活躍出来たのは良かった」。強い思いが、最上級のパワーとなって輝いた。【田中彩友美】

 ▼日本ハムが広島に勝ち、5月30日の中日戦から5連勝。交流戦での5連勝は11年6月5日の巨人戦から12日の横浜戦まで6連勝して以来、4年ぶり。最多連勝は07年5月22日の巨人戦から6月8日のヤクルト戦までの12で、これは交流戦記録でもある。