頼れる男が帰ってきた。ソフトバンク本多雄一内野手(30)が3日、1軍に合流。4月12日の日本ハム戦で右足首を捻挫し、戦線を離脱。3カ月近いファーム生活を経て、この日、ほっともっと神戸で行われた全体練習に参加した。「緊張感はありますし、久しぶりの景色。やっぱり1軍はいいですね」。守備練習やフリー打撃にランニングとフルメニューを消化し、元気な姿を見せた。

 副キャプテンの復帰は、首位のチームをさらに加速させそうだ。精神的な部分はもちろん、戦力的にもバリエーションは膨らむ。自身が不在の間、明石や川島、高田がそれぞれ存在感を示した。二塁のポジション争いはより激しくなる。加えて、オープン戦で試した遊撃の守備に就く可能性はある。練習中に工藤監督は本多に声をかけた。「いろいろやってもらうよ」とニヤリ。今後の起用に関して、指揮官は「今宮のところで代打を出すなら、ショートもやってもらう。ケガから帰ってきても、みんなから遅れている。後は誰がどこまでがんばるか、だ」と話した。チーム全体の刺激になることも期待した。

 今日4日のオリックス戦は先発西との相性を考慮し、ベンチスタートが濃厚。日焼けした顔つきで本多は、ポジション争いへの決意を語った。「人のプレーを見て、このままではいけないという思いが出てくる。そういう気持ちは対自分のもの。自分に強い気持ちを持って、仕事をしたい」。選手層は厚みを増した。1日の西武戦で失敗した貯金20の大台到達は間もなく見られそうだ。【田口真一郎】