JR東日本東北(仙台市)は延長10回、大阪ガス(大阪市)にサヨナラ負けし、4大会ぶり2度目の4強進出を逃した。補強2投手の継投で、2番手救援の阿部博文(27=七十七銀行)が10回裏2死一塁から本塁打を許し、力尽きた。敗れはしたが、薗部優也捕手(23)が6回に同点に追いつく全国大会初本塁打を放つなど、今後に向けて好材料も残した。

 JR東日本東北が1発に泣いた。昨年初戦でも敗れた大阪ガスに、2年連続の延長サヨナラ負け。カウント3ボールからの直球を左翼席に運ばれた阿部博は「四球を出したくなかった。甘く入ってしまった」と肩を落とした。

 初回1死一、二塁の先制機を逸し、5回には無死一、二塁からスリーバント失敗など3者連続三振。再三のチャンスを逃した。「1球目から振りにいく積極性が足りなかった。成長がない」。藤井省二監督(53)は試合後、選手にあえて厳しい言葉を投げかけた。

 全国初制覇を念頭に、東北大会から6連投の左腕西村祐太(26)を温存。補強2投手の継投で勝負した。先発阿部正大(33=TDK)が7回を6安打1失点でゲームメーク。8回から救援の阿部博も9回裏無死満塁の窮地を乗り切るなど粘投したが、打線は相手3投手の前に5安打13三振。援護できなかった。

 だが大会を通しては4大会ぶりの8強に、この日は2投手をリードした薗部が同点のソロ。大卒ルーキーの1番阿部建太(23)も2回戦で2ランを放つなど好材料もあった。藤井監督は「秋(日本選手権)に向けて切り替える」と前向きに話した。【佐々木雄高】