阪神福留孝介外野手(38)は攻守で一流の技を披露した。まずは右翼守備だ。1回、1番比屋根の右翼線安打に素早くチャージ。そのまま回転してワンバウンドで二塁にストライク送球し、余裕のタイミングでタッチアウトをもぎ取った。「(どんな打球が)来てもいい準備はしているから」。サラリと振り返ったが、先発岩崎を一気に乗せる好プレーとなった。

 打ってはチーム全体がサブマリン山中に苦戦する中、1回1死一塁で内角直球に詰まりながらも三塁内野安打を記録。両チーム無得点で迎えた6回無死では、2ストライクから内角低めの102キロスライダーに体勢を崩されながらも、右翼線に二塁打を運んだ。「いいところに飛んでくれたね」。先制点にはつながらずも、存在感を見せつけた。

 3安打した7月14日広島戦以来12試合ぶり、後半戦初のマルチ安打。大崩れすることなく7試合連続安打を記録するところに頼もしさがある。高校野球の夏到来に伴い、明日4日広島戦(マツダスタジアム)から21試合、甲子園を離れて戦う。「ホームだろうとビジターだろうと、やることは変わらない。1戦1戦やっていけばいいんじゃないかな」。勝負の夏、自然体で長期ロードに向かう。