意気消沈した。日本ハム栗山英樹監督(54)が、いつもの雄弁な姿とは一変した。敗因分析を1度は、ためらった。「冷静になってから話すね。何を言い出すか分からないから…」。ソフトバンクとの直接対決3連戦。登板スケジュールを調整し、大谷を先発に立てた重要な初戦を落とした。「(大谷)翔平が悪いわけじゃない。大事な試合にぶつかった時に、やらなければならないことがある」。自問自答は尽きず、足を引きずるような歩みで戦場を後にした。

 要所で、ほころんだ。2回に先制二塁打を放ったレアードが、まず水を差した。続く杉谷の左飛で帰塁できず、アウト。スライディングもしない緩慢さで、雰囲気を乱した。同点にした直後で再度、流れをつかんだ7回。大谷の乱調と、うらやむようなソフトバンクの理想的な攻撃で、勝負ありだった。栗山監督は9・5差に開いた、一戦の現実を直視した。「このチームは、まだやらなければいけないことがある。まだ時間はある」。心は少し折れたが、ファイティングポーズは、まだ崩さない。