中日大野雄大投手(26)が、4度目の挑戦でも10勝目を挙げられなかった。打線の援護がない中で、終盤に逆転を許した。連戦が続く8月に入っても先発陣がそろわない現状。頼みの左腕の完全復調が待たれる。

 大野は飛ばした。直球中心の強気な投球で3回まではパーフェクト。だが球数が50球を超えた4回からはピンチの連続。6回に梶谷、筒香の連打から宮崎に同点打を浴びた。続く7回には2四球から筒香に勝ち越し打を許した。3、4番に計5安打。決して甘いコースに入らなくてもヒットゾーンに運ばれた。

 谷繁兼任監督は「点に絡んでいるのが左2人の梶谷と筒香。同じようにやられている。いい投球なんだろうけど、そのあたりを改善しないと勝ちはついてこない」と課題を指摘した。大野も「勝負どころでしっかり投げ切ることができなかった」と、2失点を悔やんだ。

 7月8日に9勝目を挙げてから4試合連続黒星。2度の1-0完封など、獅子奮迅でチームを引っ張った前半戦から一転、要所で踏ん張りきれない。

 チームの後半戦3勝のうち、先発で勝ったのは若松の1つだけ。前日の復帰登板で5回1失点と好投した吉見は、間隔を空けるため出場選手登録を抹消された。まだ毎週投げることはできない。4日に10敗目を喫した山井も中継ぎに配置転換の可能性がある。

 新外国人ネイラー、週末に初登板予定の山本昌、左肘痛から復帰するバルデス、同じく故障明けの浜田達らのローテ定着を待つ現状だ。一刻も早く、1枚でも計算できる投手を…。残り試合は容赦なく減っていく。【柏原誠】