ロッテが1日でAクラスに返り咲いた。打線が16安打9得点と爆発。前日に4連敗を喫し、西武と入れ替わって4位に後退したが、この日は打ち勝って連敗ストップ。すぐに3位に戻った。清田育宏外野手(29)が13号2ランを含む2安打3打点の活躍。1回2死走者なしでは、10球粘って四球を選び、先制劇の火付け役となった。

 清田の左足は地面から離れなかった。5-3の4回1死三塁。カウント3-1だった。西武野上の139キロ直球にノーステップ打法で対応した。いつもは2ストライクと追い込まれるまでは左足を上げて打つが、「三塁に(俊足の)荻野。内野ゴロか外野フライでもいい。とにかく三振はしない」と、早めに切り替えた。飛距離よりミート重視の打法だが、大きな放物線は左翼席中段まで届いた。「タイミングが取れた。完璧」。2点差に詰められていただけに、効果的だった。

 2回には適時二塁打。ただ、見逃せないのは1回2死走者なしからの四球だ。「野上は本当にコントロールが良い。ボールを見極めないとダメ」とファウル5球で粘り、10球を投げさせ出塁した。そこから打線がつながり4点先制。3者凡退なら相手を乗せたかも知れない立ち上がりで、攻略の糸口をつかんだ。

 チームは前日に4連敗で4位後退。清田は走攻守で惜しいプレーが重なった。6点差から1点差まで追い上げた9回は、良い当たりが左飛に。それでも「野球は良い当たりがアウトになったり、その逆もある」と引きずらなかった。この姿勢が6年目の開花をもたらした。今の心掛けは「同じ失敗はしない」。就寝前の習慣ができた。スマートフォンで球団の特設サイトにアクセス。夜中0時には、その日の試合映像がアップされる。疲れていても、必ず全打席を見返す。「過去は変えられない。でも自分では良い打撃だと思っても、映像を見ると違うこともある」。復習の繰り返しが結果につながっている。

 伊東監督は「(初回は)2アウトから粘って、つないで4点。清田のダメ押し(2ラン)も大きかった」とねぎらった。1日で3位に戻ったが、清田は「順位はまだ。1試合を大事に」と表情を変えずに言った。積み重ねの先に、Aクラスがある。【古川真弥】