東海大北海道が北翔大を下し、2季連続リーグ制覇へ好発進した。先発の水野滉也(3年=札幌日大)が9回2安打1失点で完投勝利を挙げた。2回先頭に安打を許したが、後続を三振、併殺に打ち取ると、3回から8回まで打線を無安打に封じた。9回に味方の失策から1安打と1四球で無死満塁。犠飛で1点を献上したが逃げ切った。昨秋以来の完投勝利に「最後までマウンドにいられるのはいい」とうれしそうに話した。

 全国マウンドでの悔しさを糧に成長した。6月の全日本大学選手権2回戦の早大戦で先発。5安打5失点(自責2)と打ち込まれ、3回途中で降板した。ボールが高めに浮き、甘い変化球を捉えられた経験から「制球力を意識してきた」。帰道後、高橋葉一監督(50)から「投手リーダー」に指名され、投手陣をけん引。指揮官から課された1カ月間ポール間走10往復を毎日繰り返す単調なトレーニングで精神力を鍛え、「球数は一番放っていた」(高橋監督)という投げ込みで、自信を持って秋を迎えた。

 「連覇を目指している。いいスタートを切れた」と好感触を得た。チーム初の2季連続の歓喜を、右腕が導く覚悟だ。【保坂果那】