「あと数センチ」の悲劇的な幕切れだった。中日は1度も打ち崩せていないDeNA山崎康を追い詰めたが、4度目の5連敗。DeNA戦は4試合を残して2年ぶりのシーズン負け越しが決定した。

 2点を追う9回。無死一、二塁で和田の会心のライナーは三塁正面。エルナンデスは投手強襲の鋭い当たりで右脚を襲ったが、全力疾走むなしく投ゴロに。代打森野の四球で2死満塁。代打藤井は痛烈な左前打。同点か。誰もが思い、藤井もガッツポーズしたが、二塁走者平田良介外野手(27)が微妙な判定の本塁憤死でゲームセット…。歓声、ため息、罵声が入り交じる中、勝敗が決した。敵の新人守護神に対しては12試合でやっと2得点目。10セーブ、2ホールドと完璧に仕事をされている。

 0-1の6回。先頭梶谷を一塁ルナの失策で塁に出し、筒香の二塁打で二、三塁。中日にめっぽう強いロペスに2点適時打を浴びた。ロペスには今季打率3割5分4厘、7本塁打、21打点。谷繁兼任監督も「ここという大事な1点に絡まれている。そこを均等にしていかないと」と渋い表情だ。

 年間通じて梶谷、筒香の主軸3人にやられた。三浦には4年にわたり14試合も土をつけられず7連敗。指揮官が「DeNA戦の負け越しを何とかしないと」と逆襲を誓っていたが、課題が解消されないまま負け越しを迎えた。

 監督にとっては古巣でもあり、意識する相手。今は5位を争う。「負け越しは本意じゃない。数字に出る以上、今から逆転はできない。1つでも返していけるようにしないと」と悔しそうだった。【柏原誠】