ハムかう敵はなし! ソフトバンクが優勝へのマジックを6とした。2位日本ハムのエース大谷に2発を含む10安打浴びせ、2試合続けて7失点KOに追いやった。同点の6回、無死満塁で今宮健太内野手(24)が中前に決勝2点打。大谷に対戦打率4割超のキラーが、攻略の主役を張った。日本ハムに引導を渡す3連倒。最短Vは14日だ。

 日本ハムに引導を渡す3タテを食らわせたのは、鷹の満塁男だった。3-3の同点で迎えた6回、無死満塁。8番今宮が勝ち越しとなる中前2点適時打。左打ちの高田ではなく、相性を買って右打ちの今宮を先発起用したベンチの期待に見事に応えた。

 「皆がつないでくれたチャンス。普段打っていない分、チャンスで何とかしたいという思いだった。いいところに飛んでくれてよかったです」

 5回裏に摂津が同点に追いつかれた直後の決勝打。これで今季は満塁機に12打数6安打11打点。シーズン通算打率こそ2割1分2厘と低迷しているが、ここぞの勝負強さはピカイチだ。大谷キラーでもある。今季はこれで9打数4安打5打点。「得意とは思っていない。たまたま飛んだところがいいだけ」と謙遜するが、CSでも対戦が予想される右腕への苦手意識はない。

 チームはここ3試合の対戦で5、7、7と大量得点を奪取。この日は松田、柳田の2発を含むプロワースト10安打を集中した。チームとしても完全に攻略。10月に控える短期決戦に向け、もはや怖さはなくなった。

 工藤監督も「スコアラーやバッティングコーチがよくやってくれている。みんなが早く目標を達成したいという気持ちもある。CSで攻略できるように、いい意識でやってくれている。(得点には)いろんな意味が込められている」と、一丸となって打ち崩したことを喜んだ。

 この日、11月にプレミア12を戦う侍ジャパン候補メンバー45人が発表され、今宮も名を連ねた。解説者で球場を訪れていた小久保監督の前でみせた勝負強い一打。8回には2死二、三塁でライナー性の当たりをジャンピングキャッチ。「守備でチームを助けていきたいので、この展開の中でいいプレーができて本当によかった」と、胸をなで下ろした。

 試合に挑むコンディションづくりには細心の注意を払う。食事量もその1つ。ホームとビジターでは、試合前の食事の時間が異なる。「ビジターでは練習後にすぐにシートノックがあるから、食べ過ぎると動きが鈍る。だからビジターでは食べる量を減らしている」。そんな高いプロ意識の積み重ねが、女神をほほ笑ませているのかもしれない。

 マジックは6まで減った。目前の歓喜へ、ラストスパートに入った。【福岡吉央】

 ▼今宮は今季、満塁の場面で打率5割(12打数6安打)。パ・リーグの打者で満塁での打数が10以上では、李大浩(12打数6安打)と並び最高。また大谷との今季の対戦打率は4割4分4厘(9打数4安打)と打ち込んでいる。