楽天斎藤隆投手(45)が引退試合で現役最後のマウンドに立ち、打者1人限定で投球した。

 初球136キロの直球をソフトバンク細川へ投げ込むと、あふれ出す涙が止まらなかった。2球目は外角へ137キロの直球で空振り。カウント0-2と追い込み、最後は138キロの直球を高めに投げ、空振り三振を奪った。

 試合後の引退セレモニーでのあいさつは以下の通り。

 

 本当はたくさんしゃべろうと思ったんですけど、全部映像で紹介していただきました。

 思えば40年間、野球に向き合ってきました。1970年この地に生まれ、この体、鍛え上げた先に奇跡があり、苦しい先に栄光があることを、学びました。

 支えていただいた皆さん、打たれても打たれても、頑張れ頑張れと祈りにも似た声援に支えられ、今日まで魂を込めて、白球にこの身を挺してきましたが、心技体、チームの力にもなれず、私の体は限界です。

 2011年、この東北に悪夢のような出来事が起こりました。自分には何が出来るのか、自問自答する日が続きました。私には野球がありました。ボロボロの体を引きずって、皆さんの前で投げることが、きっと皆さんの勇気になれるんじゃないかと信じて、2013年、楽天に入団を決意して、皆さんと共に輝かしい日本一という栄冠を勝ち取ることが出来ました。あの優勝は復興を目指す多くの方々と共に踏み出した大きな一歩になったと信じています。

 皆さんから頂いた、熱い声援は私の魂にかえて、このグラウンドと、このマウンドに置いていきます。後輩たちに全ての思いを託し、新しい第2の人生を歩んでいこうと思っています。

 野球人、斎藤隆として、これからも頑張っていきます。長い間、ありがとうございました。