全員野球でCSの切符をつかみ取る。広島緒方孝市監督(46)が今日7日の今季最終戦を前に選手たちにハッパを掛けた。中日戦に勝てば、3年連続クライマックスシリーズ進出が決まる。指揮官はエース前田健太投手(27)を先発に立て、今季チームを引っ張ってきた先発の柱をベンチ入りさせることを決めた。就任1年目のレギュラーシーズン最終戦は総力戦で挑む。

 193日前と同じ光景だった。青空が広がるマツダスタジアムに、投手と野手、そして首脳陣が集まり、大きな円陣ができた。就任1年目で指揮を執り続けてきた緒方監督は、開幕戦当日と同じように右手で拳を握り声を上げた。

 緒方監督 いつもと変わらず全員野球で、全員で勝ちに行くぞ!

 集大成となる一戦はエースに託した。2日中日戦から今季2度目の中4日で前田が先発する。ブルペンには4日先発から中2日で志願した黒田だけでなく、CSに進出した場合、10日ファーストステージ初戦の先発が濃厚なジョンソンも、福井も待機させる。「全員で勝ちに行く」。指揮官の意思表示だ。

 総力戦の姿勢は選手にも伝わっている。「いやが上にも(気持ちが)高まる。それは自分だけでなく、ほかの野手陣も投手陣も同じだと思う」。新井は黒田のブルペン待機にナインの思いを口にする。先発陣がブルペン入りすることで、ベンチ入りできない投手がいる。だが、抑えの中崎は「投げたいと思っていると思う。ひとつになるという意味も込めてやろうと思う」と、ベンチ入りから外れた投手のユニホームをブルペンに掲げるつもりだ。

 今季は苦しい戦いだった。開幕直後には7連敗。中軸のケガや不振もあった。我慢の戦いを続けながら、チームは成長した。5月以降は毎月、月間勝率は5割以上。混戦のセ・リーグで1度も首位に立つことはなかった。だが、今日7日の最終戦に勝利すれば3位でフィニッシュ。3年連続クライマックスシリーズ出場は、チームのさらなる成長につながる。

 緒方監督 いつもと変わらない。全員で戦って勝利をつかむ。

 就任時から繰り返し言い続けてきた全員野球で2位巨人が待つ東京へ。緒方広島がシーズン最後の戦いに臨む。【前原淳】