今月下旬から秋季キャンプをスタートさせる中日に、実戦倍増プランがあることが14日、判明した。現在、秋季練習で指導を続ける谷繁元信監督(44)が「去年よりけっこう増えると思う」と明かした。昨秋のキャンプでは独立リーグや社会人と3試合を組んだが、今年は2倍以上となる7試合を予定している模様だ。

 チーム関係者によると、試合は土曜、日曜の2日間に行う予定で、対戦相手は調整中。今年も秋の恒例となっている投手、野手の分離キャンプとなる予定で、週末は試合に出場する選手がナゴヤ球場に集結する。実戦増の目的は、もちろん競争力のアップ。若手にアピールのチャンスを可能な限り多く与える。

 秋の実戦は確かに実りが多い。2年前は当時ルーキーだった若松が紅白戦に先発して4回無安打無失点と好投。就任間もない谷繁監督から「監督賞1号」を進呈された。3年目の今季、10勝を挙げた右腕がチャンスをつかむきっかけは秋だった。昨季は武藤、小熊ら先発転向を目指す投手が先発を経験。キャンプにテスト生として参加した亀沢が攻守で存在感を示した。

 首脳陣にとっては埋もれている戦力を掘り起こす貴重な場になる。若手選手にとっては生き残りをかけた真剣勝負の場。秋の実戦が来春キャンプの1、2軍振り分けにも影響する。超新星の出現はあるか。晩秋のナゴヤ球場に火花が散る。【桝井聡】

 ◆秋季キャンプの実戦 谷繁監督の就任1年目となった13年秋は紅白戦を2試合行った。昨季は「紅白戦という形じゃなく、対戦相手を決めてやる」(谷繁監督)と3試合の対外試合を組んだ。相手は独立リーグの兵庫ブルーサンダーズ、BCリーグ選抜、社会人のジェイプロジェクトの3チームだった。