阪神育成の田面巧二郎投手(24)が汚名返上の好投だ。5回に紅組の3番手で登板。たった9球で3者凡退に抑えた。キャンプ初日には、金本監督から返事の小ささを理由にカミナリを落とされたが、マウンドではしっかり存在をアピールした。

 「ブルペンでやっていることをやろうと。全部の球種を使って打ち取れたので良かったです」

 今キャンプでは新しくフォーク習得に挑戦。この日2安打の森越を二邪飛に抑えると、続く今成の3球目に新球フォークを投じ三ゴロに打ち取った。最後は二塁打2本を放っていた4番江越を3球で空振り三振。この投球に指揮官も「とてもじゃないけど育成には見えない。注目しています」。この言葉からも期待の高さがうかがえる。

 昨年11月に支配下登録から育成契約になった。今季は独立リーグのBCリーグ・福井にレンタル移籍。違う環境で修業を積んだ。復帰後はフェニックス・リーグでアピールし、キャンプでは雷のち快晴。視界が開けてきた。

 ◆田面巧二郎(たなぼ・こうじろう)1990年(平2)12月9日、群馬県生まれ。桐生商-日産自動車-JFE東日本。12年ドラフト3位。14年オフに育成契約。今季は4月1日からBCリーグ・福井に所属。19試合で0勝0敗1S、防御率4・50。179センチ、91キロ。右投げ右打ち。