金本イズムが安芸市営球場改造プランを生んだ。阪神秋季キャンプで連日、江越、陽川ら金本知憲監督(47)期待の若手がフルスイングに取り組む同球場に改修の動きがあることが8日、分かった。打撃練習で打球が場外に出すぎるため、ファウル側のネットを高くしようというもの。実現すれば「ディアーネット」「新庄ネット」「大豊ネット」級の出来事になる。

 「強く振れ」。金本指令を全力で実行する若手のハッスルが、思わぬ影響を生んだ。飛距離が持ち味の2人が特打を行うと、打球はスタンドの外に次々に飛び出していく。左翼側の通路で打球の行方を心配そうに追う高知県関係者の姿があった。高知県観光コンベンション協会の坂本龍馬スポーツ課長(43)だ。

 「本当によく飛びますね。江越選手、陽川選手といった人たちですね。新井良太選手もそうですけど」と感嘆の声を上げた。左翼後方には約20年前にできた「ディアーネット」があるが、今回はファウルゾーンに飛び出していく打球への対応を検討している模様。「あと2、3メートルは高くした方がいいかもしれません。ある程度、お金がかかっても仕方がないのでは。今年はもう間に合いませんが来秋のキャンプまでには対策を練りたい」などと話した。

 同球場は過去に在籍したロブ・ディアー、新庄、大豊らの飛距離に合わせて改修してきた歴史がある。今回は選手個人ではなく、新監督の指導による余波。陽川は「ボクだけのことではないので何とも言えませんけど、飛距離を狙っているわけでもないですし…」と苦笑したが、甲子園でもガンガン打球が飛べば虎党の夢が広がるのは間違いない。