新・中年の星だ! 阪神福原忍投手(38)が3日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約更改に臨み、3000万円アップの年俸1億5000万円でサインした。この28日に39歳の誕生日を迎える福原にとって、自身最高年俸。プロ18年目でキャリアハイとなる来季の持ち場も「言われるところはどこでも」と前向きだ。(金額は推定)

 勤め人ならあることかもしれないが、この世界では結構、めずらしい。忍びに忍んで17年、猛虎のセットアッパー福原がプロ18年目に自身最高年俸を更新し、1・5億円の大台に達した。

 「25%アップです。いい評価をしてもらいましたね。これまでで最高の年俸ですかね。このトシになって不思議といえば不思議な気もしますけど(笑い)。感謝してます」

 今季は投手陣最年長ながら抑えの呉昇桓につなげるセットアッパーとして「勝利の方程式」に貢献。39ホールドポイントをマークし、2年連続で最優秀中継ぎ投手となった。60試合以上登板も2年連続で、来季も実現すれば阪神史上初となる。かつて「中年の星」として輝いた金本監督の1年目も重要な存在になりそうだ。

 その呉昇桓の残留が不透明で、元クローザーの藤川球児が復帰したとはいえ、方程式のプランは見えてこない。最近では13年に抑えの経験もある福原に大役が回ってこないとも限らない情勢だ。そんな見方にもキッパリ答えた。

 「ボクは言われたところで調整するだけ。確かに(抑えは)8回に投げるのとは違います。チームの勝ち、先発投手の勝ち、あるいは打者の勝利打点とかすべてがかかってくる。締めるのは大事です。でも言われたときは頑張りますよ」

 12月に不惑を迎えるシーズンを前にクローザー転向も辞さない構えだ。これが一時は3000万円台まで年俸が減っても、体調不良でも、こらえてやってきた心意気か。高野球団本部長も「実力で上げてきたと思います。純粋な評価。若手の見本だし、体さえしっかりできていれば問題ない」と信頼を寄せた。

 野村克也元監督の初年度、99年にルーキーだった。元監督・星野仙一氏、岡田彰布氏、真弓明信氏、そして前監督の和田豊氏と続き、来季は6人目の指揮官の下で新たな中年の星として力投する。【編集委員・高原寿夫】

 ▼満40歳シーズンに初めて年俸1億5000万円に到達は、08年に山崎武司内野手(楽天)が1億8000万円を得て以来(前年07年は8250万円)。投手ではプロ野球史上最も遅い大台となった。なお阪神生え抜きでは、能見が35歳シーズンの14年に1億5000万円となったのが最遅だった。