プレミア12で侍ジャパン入りしたDeNA山崎康晃投手(23)が、海外でダブル武者修行する。6日、成田空港から米国ロサンゼルスへ出発した。当地では約3週間、単身でトレーニングと英語を学ぶ。12月はイベントラッシュが予想されたため、自分の時間を確保するための国外脱出でもある。1日の中で2部構成でカリキュラムをこなしていく。

 ジムは「アスリーツパフォーマンス」を選んだ。野球では広島黒田ほか多くの大リーガーが利用し、サッカーはドイツ代表のフィジカルコーチが在籍するなどさまざまな競技者が集まっている。「いろんなことを学びたい。自分ひとりでどれだけできるか。米国で気づけることもある。1人の人間として器を大きくしたい」と、目的は明確だ。ここではリカバリー(疲労回復)や体の動きを中心に学ぶ。新人ながら1年を通してストッパーを務めた疲れを取り、来季に向かう体を作る。

 英語は語学スクールに通って勉強する。来年はフィリピンにいる祖母ナナイさんが来日する。彼女がしゃべるのはタガログ語と英語だ。「おばあちゃんとコミュニケーションを取りたいんです。そのためにも英語を覚えたい」と、こちらの目的もはっきりしている。

 狙いが明瞭なら身につきやすいのは当然だろう。「どういうことをやったらいいのか。来年以降につながるオフを過ごしたいんです」。新人最多37セーブを挙げ新人王に輝いたが、浮かれてはいない。自分を見詰め直し、2年目のジンクスを打破する。【矢後洋一】