生まれ育った東北で復活する。山形・天童市出身の楽天栗原健太内野手(33)が7日、仙台市内のイーグルスドームで入団会見を行った。推定年俸は2000万円で、背番号は0に決まった。右肘の故障で14年から2年間1軍出場がなかったが、地元からの声援が支えになったと感謝。天童市内にある実家の焼き肉屋「マルタイ」をアピールし、活躍して東北に恩返しすると誓った。また、同じく倉敷秋季キャンプで行われた入団テストで合格した3選手もお披露目された。

 最初のあいさつで、栗原が東北のファンの心をギューッとつかんだ。「来年からイーグルスにお世話になることになりました栗原健太です。東北、山形の出身です。ちなみに実家は焼き肉屋です」。白い歯をのぞかせながらの自己紹介に、会場のファン120人も思わず笑顔になった。

 感謝がにじんだ。広島の不動の4番として06年から4年連続で20本塁打を達成し、09年にはWBCに出場し世界一を経験。球界を代表する和製大砲に成長したが、右肘の故障に苦しんだ。3度の手術で復活を目指すも今オフに自由契約となり、楽天へテストから入団を勝ち取った。「(地元の)いろんな人からの応援を毎日もらって、高いモチベーションを保ちながらやることができた。いつも気にかけてくれていた」とつらい時期に支えとなったのは東北からの激励だった。

 焼き肉愛もさく裂させた。山形・天童市内にある焼き肉屋「マルタイ」は実家。母順子さん(62)が切り盛りし、幼い頃から週5日は焼き肉を食べていた。「お店が忙しいから(母が)夜ご飯を作れないんです。弟と2人で食べていた」と豪華な“まかない”が恵まれた体を作った。パワーの源はカルビで「一番好きです。おいしいです」とアピールも忘れなかった。

 球団は大砲としての期待をかける。宮越チーム統括本部長補佐は「長打力に期待。1打席で流れを変えてくれる」と豪快な本塁打で勝利に導けると獲得理由を説明。一塁手として銀次や外国人選手との競争が見込まれるが、栗原は「得点圏打率を高くしたい。チャンスでランナーをかえせれば。全試合に出たい」とレギュラーを奪い取るつもりだ。

 広島での生活が長かったため「年末に山形に帰ると(方言に)オッと思う。言葉は忘れかけちゃってました」と照れた。生活も野球も生まれ育った東北で再スタート。輝きを取り戻す瞬間をファンは待ちわびている。【島根純】