引退覚悟で来季に挑む。ロッテ・サブロー外野手(39)が8日、QVCマリンで来季契約を更改した。年俸は今季1億3000万円から半減の6500万円。減額制限を超える半減を受け入れた。来年6月で40歳を迎える生え抜きベテランは「来年が最後のつもりで」と決意表明。進退を懸けて、チーム内競争に打って出る。(金額は推定)

 ベテランは、さばさばしていた。サブローの契約交渉は午後1時開始予定だったが、その時刻より数分早く会見場に現れた。「サインしました。1分、かからんかった。上がったら、おかしいでしょ」。今季36試合は、主力に定着してからではもっとも少ない。主に代打でベンチを温め、打率2割1分7厘、1本塁打、4打点。「ふがいない」と、当然のように言った。

 下交渉が済んでいたとはいえ、減額制限を超える50%ダウンを受け入れるしかなかった。だからといって、戦う気持ちは少しもなえていない。「来年が最後のつもりで、燃え尽きようと思う。体力的にもきついんですけどね。体は鍛えれば慣れてくる。スタメンが減って試合の不安はあるけど、人間は慣れればなんとかなる。出られるよう頑張ります」と、引退覚悟で22年目に臨むことを宣言した。

 入団時の目標だった40歳現役が見えた。そんな年に、あえて原点に返る。「来年はチームよりも個人のことを考えようと思う。もちろん、若手が聞いてきたら話はするけど、僕も最後なので勝負したい」と言い切った。プレー機会は減っても、陰でチームを支えてきた。投手に助言することも。そういうベテランの役割を捨てる。「若い頃に戻った感じ。一からスタートする気持ち」。ラストシーズンになるかも知れないからこそ“我”を出して戦う。

 シーズン中から節制を続け、体重はベストの88キロを維持している。トレーニングも再開。息子と一緒に体を動かしている。「肩はできてます」と笑った。サブローが、野球人生の集大成に向かう。【古川真弥】

 ◆年俸の減額制限 年俸が1億円を超える場合は減額率40%まで、1億円以下は25%まで。来季年俸が6500万円以上のダウンは、岩瀬(中日=2億5000万円減)阿部(巨人=1億8400万円減)西岡(阪神=7200万円減)に次いで4人目。減額率50%以上のダウンは、移籍を除くと岩瀬(83%)武田久(日本ハム=78%)比嘉(オリックス=75%)ら今オフ6人目。