阪神が2年連続セーブ王の呉昇桓と決別し、新たな守護神の獲得に向かうことが決まった。四藤慶一郎球団社長(55)は「抑え投手の獲得に動く。前から準備していました。リストに挙げていた選手を絞り込んでいます。第1候補の獲得に向けて動いていこうと思う」と方針を明かした。

 球団は呉昇桓との交渉打ち切りに備えて、水面下で守護神候補のリストアップを進めていた。重責のクローザーを託すことになり、米大リーグでプレーする投手を最優先に、クイックやけん制など投手として完成度の高い助っ人を探していた。

 筆頭候補がブレーブスFAのデビッド・アーズマ投手(33)だ。メジャー通算69セーブと経験豊富。今季は2年ぶりにメジャー昇格し、中継ぎで33試合に登板した。

 マイナーリーグでは好成績を収めており、阪神は数年前から動向をチェックしてきた。また、ロッキーズ3Aのブライアン・シュリッター投手(29)も候補で今季は3Aで23セーブをマーク。ブレーブス3Aのライアン・ケリー投手(28)はマイナー通算58セーブの経験がある。

 さらには助っ人投手のダブル獲得も検討する。前広島のデュアンテ・ヒース(30)は先発、中継ぎの両方をこなせるタイプとしてすでに実証済み。今季は43試合に登板して防御率2・36だった。“保証”できる助っ人として申し分ないだろう。今季、レンジャーズで33試合に救援したアンソニー・バス(28=現マリナーズ)もリストに名を連ねる。金本監督自身が投球映像をチェック済み。呉昇桓が抜けた穴を埋めるのは容易ではないが、代役探しを急ぐ。