中日平田良介外野手(27)が今年の1文字を「冠」と定め、初の個人タイトルになる打点王を目標に掲げた。昨秋の侍ジャパンで打撃の好感触を得たことを明かし、充実の1年にすることを誓った。冠にはタイトル、優勝のほか今季から背負う「キャプテン」の意味も込めた。3日はイオンモールナゴヤドーム前でトークショーを行った。

 短いオフを終えた平田はもう2016年モードに入っていた。ナゴヤ球場で年明け初めて本格的に自主トレ。昼過ぎからのトークショーでは集まった約1500人のファンにタイトル獲得を力強く誓った。

 「昨年はプロ10年目の節目だったけど、納得する成績を残せなかった。今年はそれを大きく上回る数字を残したい。何か1つタイトルをとりたいです」

 1年前。OB山崎武司氏が同じ高卒10年目の96年に初タイトル(本塁打王)を取った話を何度も聞いた。飛躍を目指したが13本塁打、53打点と自己記録を更新できず。潜在能力はあっても数字の倍増はさすがにハードルが高い…。だが平田には根拠がある。昨年11月の「プレミア12」だ。

 チームトップの得点圏打率6割3分6厘と勝負強さを発揮した。ポイントは「配球」と「タイミング」だった。もともと配球を読んで打つタイプ。読みが当たる確率は年々上がっているが、狙った球種が来たら難しいコースでも手を出すことが多かった。侍ジャパンではうまく選別してスイングできていた。

 また、打つポイントを「1つ前」に変えたところ、うまくハマッたという。シーズンが終わってすぐ、谷繁監督の助言もあって打撃を全般的に見直した。国際大会で結果に直結したことで自信を深めている。

 「今年の1文字は『冠』です。キャプテンにもなったし、個人タイトルも優勝もしたい。まず最初の目標は100打点。そこから争えると思う」。平田の“変身”は本物なら、多くの冠をいただく1年になる。【柏原誠】