巨人高橋由伸監督(40)がギャレット効果で低迷した打線を蘇生させる。28日、都内の球団事務所でギャレット・ジョーンズ外野手(34=前ヤンキース)らとともに入団会見に出席。メジャー通算122発の実績を誇る新助っ人に「クリーンアップ、中軸を打ってほしい」と打線の核として期待した。ど真ん中のピースがはまれば、阿部を負担の軽い6番以降に据える構想もある。長距離砲の活躍が全体への波及効果を生む。

 通訳に日本語を確認しながら「ハジメマシテ。コウエイデス」とあいさつしたギャレットを、高橋監督は優しく見守った。打線の浮沈のカギを握る新たなる力。期待は大きい。「クリーンアップを打ち、チームの中軸打者として貢献してほしい」と言葉を並べた。

 ギャレットの活躍が無形の力を生む。昨年末の宮本慎也氏(日刊スポーツ評論家)との対談。阿部を下位で捕手起用する考えを聞かれ「6、7番というオーダーはある。ただ外国人が当たったらという条件になる」と構想の一端を披露した。

 阿部を今後の状態を配慮して捕手に本格的に復帰させ、かつ4番に据えたとき、肉体的精神的な負担が大きい。打順を下げれば、かかる圧力は軽減できる。内田打撃コーチも「外国人はパワーを期待する。彼らが活躍すれば、他の負担が減る。日本人へのいい連鎖反応が起こる」と波及効果を説く。

 もっとも巨人で新助っ人が活躍するのは高いハードルだ。来日1年目で30発以上放ったのは84年に35本のクロマティだけ。クリーンアップで100試合以上に座ったのは80年のホワイトと91年のブラッドリーの2人しかいない。常勝球団では日本野球への順応を待つ猶予は決して長くない。

 だが歴史を打ち壊すために、ギャレットは巨人に加わった。すでに球団から支給されたDVDで左打者に対する日本人投手の映像も研究。「たくさんの打席に立って早く慣れたい。辛抱強く、継続すればシーズンの終わりに数字はついてくると思う」と異国の水に慣れるつもりだ。

 昨季の打線は近年まれに見る低迷ぶりだった。リーグ最低打率、得点、本塁打はともに4位。高橋監督はクルーズとともに「2人が入ることで今いる選手に刺激を与えてほしい」と語った。ギャレットが打線のど真ん中で打つ。巨人がよみがえる。【広重竜太郎】