ラミちゃん流「考える野球」がチームを変える。DeNAアレックス・ラミレス監督(41)が緻密な練習メニューを次々に投入した。宜野湾キャンプ第1クール最終日の4日、勝利への方法論をグラウンドで体現した。オーソドックスな投内連係を一通り終えると走者を置き、実戦に近い状況を設定。バントシフトでは打者にバントをさせる実戦モードを導入した。

 狙いは明確だった。昨季は序盤戦の快進撃もむなしく最下位フィニッシュ。勢い頼みの野球だった印象は否めない。進藤ヘッドコーチは「判断力という部分がこのチームの一番、不得意な部分。バントシフトでも打者にバントをやらせてアウトをとるのか、やらせないのか、という投げ分けが必要」と説明。劣勢の状況下でも冷静に対応することで逆に試合をコントロールするぐらいの力が安定した戦いには不可欠になる。

 投内連係後のシートノックにも工夫が凝らされていた。ノッカーの万永コーチはランダムに打ち分け、1球ごとにカットプレーの陣形を変化させた。進藤コーチが「考えさせることでピンチでもパニックにならない」と話すように、ここでも本番を意識させた。この日は守備の連係プレーに1時間半以上を費やした。

 ラミレス監督にパフォーマンスでファンを喜ばせた現役時代の面影はない。グラウンドを見つめる顔つきは鋭く、勝つためにチームをマネジメントする指揮官そのもの。全体練習後の個別練習でも荒波を例に挙げ「マシン打撃は流し打ちではなく引っ張ることを意識してやるように伝えた」と、ただ打つ、ただ守るだけの練習を排除する。体だけでなく頭を鍛える「ラミキャンプ」が本格化してきた。【為田聡史】