サムライが江越に熱視線だ。6日に阪神の沖縄・宜野座キャンプを視察した侍ジャパンの小久保裕紀監督(44)が江越大賀外野手(22)に高い評価を与えた。金本阪神期待の若手大砲の侍ジャパン入りへの可能性が膨らんだ。

 午前中、小久保監督も見守る前で行われたフリー打撃。力強い45スイングで連発含む5本の柵越えを放つなどストロングポイントとする長打力を見せつけた。その姿に日の丸の指揮官も目を細めた。

 「新人だった昨年後半から自分のバッティングの形を見つけて、今、さらによくなっているね。練習であれだけ飛ばせる選手は阪神にはいなかった。非常に目立っている」

 その評価なら3月5、6日の台湾との強化試合で代表に初招集する期待も出てくるかもしれない。しかし簡単にはゴーサインは出なかった。

 「まず彼は(阪神で)レギュラーを取らないといけない。今年は取るチャンス。ガムシャラになって取ってもらいたい」

 指揮官が言うまでもなく、所属チームで控えの立場に甘んじていながらキラ星のごとく選手がそろう12球団の代表に選ばれることは考えにくい。まずは金本阪神での定位置奪取。それが江越の最大かつ唯一の目標だ。もちろん、本人もそれは分かっている。

 「ボクもそう思います。まずは阪神でレギュラーを取れと言われましたので。今の課題は確実性を上げることです。打撃投手の球をミスショットしてしまうこともある。長打を捨てずに確実性を上げたい」

 キッパリ話す江越に、こちらは猛虎の指揮官・金本監督も「飛距離はね…。今までは新井(貴浩=広島)が飛ばすぐらいだったから」とうなずいた。レギュラーへ、そして日の丸を背負う男へ。江越の夢は広がる。【編集委員・高原寿夫】