ゴジラ+アニキ=ニュー慎之助だ。巨人阿部慎之助捕手(36)が15日、1軍本隊と2次キャンプ地の沖縄・那覇入りした。宮崎ではS班として独自調整。松井秀喜臨時コーチ(41)の軸足に体重を残して打つ助言を取り入れるべく、阪神金本知憲監督(47)の現役時代をイメージした「すり足」に打撃フォームを改造した。今日16日から1軍に合流し、20日のオープン戦初戦となるDeNA戦(沖縄セルラー那覇)の出場を目指す。

 ようやく役者が加わった。阿部が1軍本隊とともに、空路で那覇に入った。宮崎では2週間、S班でコンディションを整えた。今日からはフルメニューをこなす予定で「結構な力で走れるようにすることはできた。ある程度は練習をこなせるんじゃないかな」と、笑顔で準備万全を宣言した。

 バットの状態も仕上げてきた。昨季は打率2割4分2厘、15本塁打と、阿部にしては寂しい数字に終わった。キャンプでは打撃フォームを一から再構築。松井臨時コーチの「後ろ足に体重を残して打つこと」という助言を、これまでの右足を高く上げるフォームのまま取り入れようと試みた。だが「打ちに行く時のトップの体勢に違和感があった」としっくり来なかった。

 「1本足」から「すり足」に変えた。「足の上げ方を変えた方が、上半身がぶれないんじゃないかなと。右足を1回(左足付近に)持ってきてから打ちに行く。金本さんみたいなイメージ。今までの足の上げ方じゃない感じかな」。松井臨時コーチの理論を、阪神金本監督をイメージした新打撃フォームで具現化させようと試みてきた。「量も打てるようになったし、投手が投げてくるものに対して少しは対応できる」と、一定の手応えはつかんだ。

 妥協せずに完成型を目指す。「実戦をしていって変化させていかないといけないし、日々変わっていくと思う」と、新打法を磨き上げる考えだ。高橋監督は20日のDeNA戦から出場させる意向で、早ければ27日のヤクルト戦(東京ドーム)でマスクをかぶる可能性もある。強打の捕手・阿部慎之助復活に向け、着実に近づいていく。【浜本卓也】