2年連続の開幕投手に指名された日本ハム大谷翔平投手(21)が、完投勝利で昨年の悔しさを晴らすことを誓った。23日、沖縄・名護で、3月25日の開幕戦(対ロッテ、QVCマリン)へ向け意気込みを語った。勝利投手となった昨年の開幕戦も、右ふくらはぎがつって6回途中で降板した。2度目の大役へ「自分ひとりで投げ抜いて勝てれば」と、強い思いを口にした。

 はっきりと思いを言葉にした。2年連続で開幕投手を務めることが発表されてから一夜が明けた。大谷がズラリと並んだテレビカメラの前に立ち、3月25日ロッテ戦へ意気込みを語った。「勝って勢いに乗れば、チームとしても大きい。できれば、自分ひとりで投げ抜いて勝てれば。初戦を取って、2戦目、3戦目の投手を楽にできればいいです」。完投勝利を目標に掲げた。

 初めて大役を務めた昨年の開幕戦は、勝利投手にこそなったものの、6回途中に右ふくらはぎがつり、志半ばでマウンドを降りた。また昨年の最後の登板となった「プレミア12」の準決勝・韓国戦は、7回を無失点に抑えたものの、降板後に逆転負けを喫した。大事なゲームを任される投手として、ゲームセットまでマウンドを守りたいという思いは強い。

 敵地となるQVCマリンのマウンドにも、自信をのぞかせる。昨年8月18日のロッテ戦では、115球を投げ12奪三振での完封勝利を挙げた。「向かい風が強く、変化球が曲がるし真っすぐは伸びる。落ちる系のボールを投げる投手は有利かなと思います」。速球とフォークのコンビネーションを駆使する自分には、力を発揮しやすい舞台だととらえている。

 栗山監督からは、ベーブ・ルースの誕生日である2月6日に「開幕投手」を通達された。「そこに対する(特別な)ものは僕はないです。栗山監督が考えて、そこを選んでくれたと思っています」とは話したが、ベースボールの本場であるアメリカで伝えられたことに、縁も感じている。「今年はアリゾナキャンプだった。その成果を開幕から出していけたら。初回から出し切るつもりで」。メジャー全30球団の関係者を驚かせた実力を、まずは今季の初戦に全力でぶつける。

 今日24日には、韓国KIAとの練習試合(名護)で帰国後初登板する。「それ(開幕投手発表)によって調整が変わることはないです。段階を追ってしっかりと上げていければいい」。気取らず、慌てず、見据えているのは、1カ月先の開幕のマウンドだけだ。【本間翼】

 ◆大谷の完投 過去3年、通算8度で完投勝利は7度(うち完封5度)。プロ2年目の14年5月13日西武戦(函館)でプロ初完投勝利を初完封で挙げた。

 日本ハムの開幕戦の完投勝利は、最近では12年斎藤佑樹がいる。前身球団も含め、08年に完封したダルビッシュ有ら過去11人(のべ16度)が開幕戦で完投勝利をマークしている。