コミッショナーも認める有望株だ! プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)が23日、阪神の宜野座キャンプを視察。楽しみな選手として横田慎太郎外野手(20)の名前を挙げた。金本監督から「不思議」「漫画みたい」と言われる男の名前がついにプロ野球のトップから出た。

 午前に選手の前で訓示した熊崎コミッショナーは食事を挟み、ブルペン、メーングラウンドを視察した。印象に残った選手についてズバリ「横田かな。バッティングもいいし、体格もいいね」。

 3年目で初の1軍キャンプに参加中の横田は練習では思うような打撃ができず、金本監督らから厳しく指導されていた。実戦では激変。楽天との練習試合2戦とヤクルトとのオープン戦の3試合で6安打3打点1本塁打と暴れている。

 「練習でできないことが試合で出る。奇跡に近い。絶対に打つという気持ちが集中力を呼んで、持っている以上のものを出している。今の気持ち、集中力を打席で絶対に忘れるなと言いました」。金本監督はこの日も褒めた上で、精神的なアドバイスを与えたことも明かした。

 コミッショナーの評価を聞いた横田は「うれしいけど、まだ全然目立てていないと思います。どんどんアピールしていきたい」。25日からはルーキーだが年長で横田がライバル視する高山と板山が合流する。

 「同じ外野手だし、あっちは目立つと思う。それ以上に結果を出さないと使ってもらえないですから」。決意を込めて、横田がバットを振る。【編集委員・高原寿夫】

 ◆熊崎勝彦(くまざき・かつひこ)1942年(昭17)1月24日、岐阜県生まれ。明大卒。69年司法試験合格。72年検事任官。96年東京地検特捜部長。99年最高検察庁検事、04年同公安部長。同年9月の退官まで「落としの熊崎」の異名でリクルート事件などに携わる。05年からプロ野球のコミッショナー顧問に。14年コミッショナーに就任した。