虎の不思議ちゃんがまたもアッと驚く大爆発だ。売り出し中の阪神3年目横田慎太郎外野手(20)が25日の練習試合・日本ハム戦(宜野座)で、3安打2打点をマークした。練習では目立たなくても実戦ではなぜか結果を残す姿に金本監督も「漫画の主人公に出てきそうなタイプだね」と不思議がったが、この日は真顔で言った。「絶対打つんだという気持ちで何とかする。本当にいい例」とべた褒めだ。

 もう打ち出の小づち状態だ。8番右翼で出場し、5回にサードのグラブをはじく痛烈な二塁打。7回には変化球を中前へクリーンヒットを放った。9回無死一、二塁の場面では145キロをおっつけて左中間に落とす2点適時二塁打。中堅の守備に代わったばかりの9回には、先頭の浅い打球にダッシュしてダイビングキャッチ。宜野座は横田ショーだった。

 紅白戦からの実戦は打率4割7分6里、対外試合に限ると驚異の5割6分2厘だ。楽天との練習試合2戦、ヤクルトとのオープン戦、そしてこの日の日本ハム戦。4試合連続マルチ&打点を記録し、成績は16打数9安打5打点、1本塁打と暴れまくっている。

 横田は何を聞かれても「とにかく結果を出すだけ」と呪文のように繰り返すだけだが、注目度は急上昇。開幕カードの相手でもある中日佐藤スコアラーは「(開幕に)名前を連ねる可能性がある。そうなれば対策も必要」と笑顔は完全に消えた。

 燃える要素もある。この日から高山、板山のルーキー外野手が合流した。そんな話題に横田は「新しい選手も来たのでそれ以上に結果を残すだけです」とお決まりのフレーズだったが、金本監督は「横田は(高山らが)来る前から必死にやってるよ」ときっぱり。「ガッツがある。タイガースになかったプレースタイルだね」とうれしそう。虎の不思議ちゃんが金本阪神の模範生になりつつある。【桝井聡】