広島が28日、沖縄キャンプを打ち上げた。練習試合日本ハム戦(コザしんきんスタジアム)では打線がつながり快勝。対外試合を7勝無敗で終えるなど充実の仕上がり。結果は度外視する時期とはいえ、緒方孝市監督(47)も手応えを口にした。最後は小窪哲也内野手(30)が手締めであいさつ。25年ぶりの優勝へ礎は出来上がった。

 円陣の中心で小窪選手会長が声を上げた。緒方監督も耳を傾ける。「目標は25年ぶりの優勝です。勇往邁進(まいしん)! チームが、広島が1つとなって、目標に向かって突き進んでいきましょう」。充実の28日間にふさわしい一本締めだった。故障者こそ出たが、納得のキャンプだ。悲願への下地は作り上げた。

 緒方監督 (1年目の)昨年より短く感じた。1日1日が充実していた。やるべきことを考えて、それが実行出来たと思う。自分の考えは浸透していると思う。(大瀬良の離脱は)ピンチではなく、チャンスだと思ってやってほしい。

 今は調整段階。勝敗に一喜一憂する時期ではない。だが、内容を見ても、指揮官の目指す野球は形になっていると言える。キャンプで残した結果は対外試合7戦全勝。昨季得点力不足に泣いた打線の奮起が頼もしい。この日の日本ハムとの練習試合も4連打などで3点を先制。その後も効果的に追加点を奪った。「若手も中堅も成長してくれた」。競争は激しさを増し、相乗効果を生んでいる。

 3月25日の開幕まで1カ月を切った。今後はシーズンを想定した采配、選手起用へと段階を移していく。ローテーションの順番を考えた先発起用や、勝利の方程式もテストする必要がある。それに伴い中村祐、藤井の2軍降格を決めた。2軍には赤松や下水流、戸田ら好調な選手もスタンバイする。「ベテランも出てくるし、若手のチャンスは少なくなるが、そこでもアピールしてほしい」。さらなる活性化を求めた。

 ありがちなMVPを挙げることは「個人名を挙げることは難しい」と避けた。キャンプの点数も「シーズンが終わった順位がそれ」とつけなかった。確かな手応えの裏返しだろう。監督2年目は好発進。力強く、なりふり構わず前進していく。【池本泰尚】