猛虎の「24時間スコアラールーム」が完成!! 阪神がインターネットを用いた映像配信システムを稼働させたことが11日、分かった。今季、オープン戦のプレーや過去の対戦映像をチェックできる。これまでは甲子園のクラブハウスなどでの使用に限られていたが、今年から初めて、選手が自宅でチェックできるほか、遠征の移動時などスマートフォンでも見られるという。金本阪神は情報戦でも「超変革」でっせ。

 いつでもどこでも自分の打撃や投球をチェックできる画期的なシステムが稼働した。虎ナインはもう、スコアラー室に足しげく通う必要がなくなった。自宅でも遠征先でも映像を見ることができる。この日、甲子園の練習前、円陣を組む選手の前で井沢チーフスコアラーが新しい映像配信システムの活用を勧めていた。

 阪神にとって初めての試みだという。これまで選手は試合のプレーを映像でチェックする際、甲子園のクラブハウス内にあるスコアラー室で映像を見ていた。このシステムをバージョンアップ。球団関係者は「この時代ですからね。自宅でも、遠征の移動のときでも見られるから、便利だと思います。電波が入っていればスマートフォンでも見られます」と説明した。

 球団スコアラーがインターネットを用いて映像配信のデータベースを整えたものだ。選手は指定されたパスワードなどを入力すれば、いつでもアクセスが可能。遠征の移動中でも見られるスグレモノだから、まさに「24時間スコアラー室」になる。今季のオープン戦だけでなく、過去数年の対戦映像もチェックできる。特定の投手を指定すれば、ザッとこれまでのVTRが流れ出す。苦手投手に打ち取られた記憶も、瞬く間に映像で呼び覚ます。リベンジするためのアイテムにもなる。

 スマートフォンでも見られる手軽さが売りで、寝る前のイメージトレーニングで用いるなど、フル活用できそうだ。球団内の映像配信システムは球界のトレンドだ。ソフトバンクが先駆けとなり、巨人なども取り組んでいる。まだ整備できていない球団もあるが、阪神だけでなく、中日も今季から採用しているという。

 V奪回を目指す金本阪神も「情報戦」で後れを取るわけにいかない。3月に入り、斬新な試みもあった。1、2軍のミーティングに一貫性を持たせるため、2軍に1軍のスコアラーを派遣し、公式戦さながらのミーティングを模擬実演。掛布2軍監督の発案によるもので、情報力の大切さを示しているものだろう。精度の高い情報をインプットし、真剣勝負も優位に立つ。