チームのために、「完投」を極める。新人から4年連続の開幕投手を務める楽天則本が中日戦に先発。6回を1安打無失点と圧倒した。当初予定の5回終了時点で58球。実戦で球数を投げ込むために、6回も志願してマウンドへ上がった。「今日は三振を取りたい時に精度を欠いたりと、全体的にあまりよくなかった。それでも長いイニングを投げられてよかった」。奪三振は3つでも、6回75球の省エネ投球で4年目の進化を伝えた。

 今季は9回を1人で投げきる試合を増やしたい意向がある。「去年はチームとして完投数が少なかった。リリーフの疲れを軽減しなければ」。5回までの直球は140キロ台前半が中心。スライダー、フォークにカーブを交えて効率よく凡打を重ねた。6回、中日遠藤の打席ではギアチェンジ。走者なしのセットポジションからこの日最速151キロを2球続ける余力があった。「ランナー三塁の場面を想定して、セットから力を入れてコントロールできるかを試したかった」。強弱自在で試合を支配した。

 「中継ぎが1年フルで戦うのは厳しい。完投を増やしていきたい」。チームを背負うエースとして、高みに挑む。【松本岳志】