「セ・リーグ ファンミーティング2016」が14日、横浜市内で開催された。

 先に仕掛けたのは中日谷繁監督だった。2人並んでのインタビューで「昨年は開幕3連敗している。何とか借りを返して金本監督の焦る顔を見たい」と、かました。

 “2の矢”にも、負けず嫌いがにじみ出た。直前に金本監督が要注意選手として開幕投手に決まっている大野の名を挙げていた。それを受けてか「本人には2月1日に伝えてあります。でもここでは言いません。1人くらい言わない監督がいてもいいのでは」と、あえて封印。司会の青島健太氏に促されても開幕投手を明かさなかった。6球団で中日だけだった。

 昨年の悔しさは忘れられない。開幕戦で3点リードしながら救援陣が崩れてサヨナラ負け。3連敗した。「開幕は独特な雰囲気があって、あり得ないことが起こる。そういう中で正確な判断をしないといけない」という特別な舞台。地に足をつけて戦った方が勝ちに近づく。あえて貫いた「先発隠し」は、マスク越しのささやき戦術で打者を惑わせた名捕手ならではの“心理戦”だ。

 「バチバチの火花が散るみたいな感じじゃないですよ。みんなでがんばっていこうという感じ」とイベントを振り返った。言葉とは裏腹に、専任1年目となる指揮官のくせ者ぶりが強調された。【柏原誠】