日本ハム大谷翔平投手(21)の「二刀流」が、理想型にチェンジする。エース大谷の次回登板が、中6日ではなく、中7日で9日・楽天戦(コボスタ宮城)になる見込みであることが4日、分かった。土曜日に登板することで、栗山英樹監督(54)が理想と掲げる「1週間で投手1試合、野手3試合に出場」が実現する。新二刀流が軌道に乗れば、平日カードは野手大谷、週末は投手大谷と、別の顔でチームを引っ張る。

 大谷は週末に別人になる。こう書くとなにやら怪しさが漂うが、進化を続ける投打「二刀流」が、理想的な形になる。今季初勝利を目指す次回登板は、中7日空けて土曜日の9日楽天戦(コボスタ宮城)になる見込み。開幕投手を務めたため、金曜日の登板に固定されていたが、メンドーサと順番を入れ替えることになった。

 土曜日の登板は、「二刀流」の理想型になる。体づくりが優先され、打者が先行した1年目、ともにペースアップして「2桁勝利&2桁本塁打」を達成した2年目を経て、注目された昨季、DH近藤が好調だったこともあり、打者成績が伸び悩んだ。栗山監督は今季、投打両方で数字を残すことを強く求めており、週6試合のうち、投手1試合、野手3試合の出場を目指している。

 3月30日オリックス戦の野手出場から今月1日のソフトバンク戦登板、そして3日の同戦の野手出場と、先週は「中1日→中1日」で強行出場させた同監督だが、「投げた後、中1日(で野手出場)より、投げる前(中1日)の方がいい」と、本来は登板2日後はしっかりと休養に充てさせたい考えで、今回のケースは特殊な例だった。

 プロ野球は現在、ゴールデンウイークなどの祝日がない場合、月曜日は試合が組まれない。土曜日に登板すれば、ちょうど試合のない月曜日が登板2日後になるため、しっかりと体を休めることができる。翌火曜日からの3連戦はすべて野手で出場することが可能となり、平日のカードは野手、週末のカードは投手と、はっきり色分けしながら、理想とする4試合出場ができる。

 打率3割6分4厘、2本塁打とバットが好調な大谷は、今日5日からの西武2連戦(西武プリンスドーム)は打者で出場する予定。チームが休養日だったこの日は、生活拠点のある千葉・鎌ケ谷に姿を見せ、ウエートトレーニングを行った。平日は中田のあとを打つポイントゲッター、週末はローテの柱として、まさにフル回転する。

 ◆大谷のペース 今後、土曜日に投手、火、水、木曜日に野手で出場すると、今季の出場試合数は投手26試合、野手66試合になる。昨季まで登板間隔は中7、8日空けるケースが目立ち、中6日起用は14年の12度がシーズン最多だった。今後毎週土曜日に固定すると中6日で残り24度登板でき、シーズン合計26試合。リーグ最多の15勝を挙げた昨季(22試合)に比べ4試合増える。野手出場は火、水、木曜日が残り63試合あり、ここまで出た3試合と合わせシーズン66試合。野手スタメンで自己最多の51試合(13年)を15試合上回る計算だ。

 ◆土曜日は最高勝率 大谷の曜日別の通算登板成績を見ると、土曜日の6勝1敗は最高勝率(8割5分7厘)。土曜日の防御率1・69も水曜日(1・59)とともに1点台と相性抜群。