ラグビーFW級の重量打線が爆発した。西武が3本塁打を含む12安打を放ち、今季初の2ケタ得点で日本ハムに完勝した。6番森を除く3番浅村栄斗内野手(25)から8番坂田まで5人の総体重が496キロ。平均99・2キロのラインアップが0-0の4回に機能し、浅村の今季1号満塁弾を含むイニングサイクル安打で大量8点を奪い、勝負を決めた。投げては岸孝之投手(31)が1安打完封でチームを連勝に導き、貯金を1とした。

 トドメを刺したのは93キロ浅村の一撃だった。4回に4点を奪いなお2死満塁。カウント1-0から真ん中高めに入った吉川のスライダーを左中間席に打ち込んだ。ベンチに戻ると小躍りしながらナインとタッチを繰り返した。「前の打者に感謝です。つないでくれたので、何とか自分も後ろにつなごうと思った。まさか入るとは思いませんでした」と振り返った。

 この言葉にすべてが凝縮されている。昨年は長打を欲して打撃を崩した時期があった。今年は「つなぐ」ことを意識。3日の楽天戦では今季初めて2番にも入り、さらに思いは強まった。「去年あれだけ打った秋山さんが長打を意識していない。打つバッターはいっぱいいるので、しっかり塁に出ることを思っているのが結果になっている」と、方向性に確信を得た。

 4回の先制打は93キロの炭谷。さらに90キロの坂田が連続二塁打で続いた。102キロの中村も1イニング2安打。118キロのメヒアも右前打でつないだ。オープン戦で好調だった100キロの山川は2軍に落ちたが、重量級の100キロ打線に変わりはなかった。

 ただし打順に関して、田辺監督はまだ固定を急いでいない。「浅村はまた2番になるかもしれない。打順はどこでもあまり注文はつけない方がいいだろうけどね。しばらくいじりながら、バリエーションを持っていく。まだ試す時期」。メンバーや打順が若干入れ替わっても、この重量打線は優勝を争うソフトバンク、日本ハムにも脅威となりそうだ。【矢後洋一】