オリックスが今季初のサヨナラ勝ちで、連敗を5で阻止した。延長10回2死三塁。小田の打球が右中間に伸びた。「泳いだけれど、思った以上に伸びてくれた」。打球は右中間フェンスを直撃し、チームの連敗を5で止めるサヨナラ打に。小田にとって東洋大4年の全日本大学選手権決勝・慶大戦で大学日本一を決めたサヨナラ弾以来の劇的打。仲間からの祝福の水を浴びて、イケメンの顔がほころんだ。

 前日12日の敗戦でリーグ最速で10敗に到達し、福良監督は打線の組み替えを決断。「彼らの足で突破口を開きたい」と安達、小田の俊足コンビを1、2番に据えた。小田は開幕から通算4打数無安打。抜てきに応えたい一心で、今季2度目の先発試合に臨んだ。「1本出れば自分の中で開幕すると思っていた」と振り返った。

 激勝の伏線は、糸井の3ランだった。5回2死一、二塁。右翼席にチーム1号を放った。前日まで開幕13試合ノーアーチは、2リーグ制後のワースト記録。試合前練習を見た北川打撃コーチは「1号は糸井が打ってくれる気がする」と話していたが、予想通りの1発が出た。試合前には投手コーチの配置転換もあったが、重苦しさを吹き飛ばしたサヨナラ1勝。「ほっとしました」と福良監督も笑顔で息をついた。【堀まどか】