ハングリーに支配下登録を目指す。楽天ソン・チャーホウ投手(23)が13日、イースタン・リーグのヤクルト戦で6回2安打無失点で2勝目を挙げた。185センチ、106キロの体からは想像できない、正確さだった。最速148キロの直球を外角低めいっぱいに投げて見逃し三振を奪えば、6回にはヤクルト山崎を落差のあるカーブで空振り三振。「打者にテンポよく投げられた」と制球力と緩急のある内容に胸を張った。

 15年6月に台湾プロ野球の統一ライオンズからドラフト2位指名されたが、拒否。憧れのNPBに入りたいと、育成契約で楽天入りを決めた。練習態度は熱心で、杉山投手コーチは「真面目で日本で成功しようという気持ちが強い」と絶賛する。

 取り組みは体重に表れた。2軍の残留練習では体力強化メニューの「1分間体操」がある。小山投手コーチがストップウオッチを握り、1分間の筋トレを延々と繰り返す。その成果か体重は入団から7キロ減。スリムになり「走る時に体が軽くなった」と笑う。

 今後の課題は、より緩急を使える日本向きの投球術を覚えること。平石2軍監督も「先発で経験を積んで行かせたい。持っているモノは楽しみ」と評価する。今年はじっくり鍛え、来年以降の支配下登録が現実的だが、ソンは「一番の目標は背番号を変えること」と鼻息は荒い。育成契約の3ケタ背番号の脱却を目指し、汗を流す。【島根純】

 ◆ソン・チャーホウ 1992年9月6日生まれ。台湾出身。14年に21Uワールドカップ、15年にはプレミア12に台湾代表として出場した。台湾国立体育大卒業後、16年から楽天入団。最速151キロでスライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームを投げる。推定年俸440万円。背番号143。右投げ左打ち。好きな日本食は焼き肉。